【オーストラリア】ポイント制の永住権を徹底解説!計算方法も!2019年版

オーストラリアには永住するためのビザがたくさんありますが、その中でも人気の永住権がポイント制の永住権。

ポイント制の永住権は抽選式(公募制)の永住権とも呼ばれていますね。

実際、自分の能力をポイントに換算して、65点ポイント以上になれば永住権を申請する最低限の条件をパスできます。

永住権への招待がされるかどうかはその時々の経済を反映したポイント次第。そういう意味では抽選式の永住権と呼ばれるのも不思議ではありませんね。

そこで、今回はポイント制の永住権の計算方法や考え方などを完全に解説(長文)していきます。

もし、ご自身のポイントを知りたい方は紙とペンを用意してこれから紹介するポイント計算をして足していってくださいね!

ポイント制永住権の4大要素

  • 年齢
  • 英語能力
  • 学歴
  • 職業年数

この4つの項目のそれぞれ状況に対してポイントを加えていきます。この他にも「おまけ点」がもらえる仕組みがありますが、それは最後に説明しますね。

年齢+学歴+職歴+英語力+おまけ 
>= 65

この式が永住権を取得するための条件だと思ってください。

ポイント制の永住権は、技術独立永住ビザ技術指名永住ビザ技術地域ビザの3種類があります。

年齢別の点数の計算方法

24歳以下は、25点。
25歳から32歳までが最高の30点。
33歳以上39歳以下は25点
40歳から44歳までは20点です。

この事から、オーストラリアは職業経験をしっかりと積んだ、働き盛りの年齢が欲しいということが分かります。

英語能力別の点数の計算方法

IELTS6で0点。
IELTS7で10点
IELTS8で20点です。

IELTS6は、英検準1級、またはTOIECで720点以上のスコアに換算できます。

このスコアはオーストラリアの大学での入学試験や、技術系ビザを使ったポイントせいではない永住権の申請をするさいにも求められています。

したがて、永住権を目指す、すべての人がとっておくスコアだとも言えます。

2014年から英語力の証明に使える英語テストは5つになりました。
次のページ > 移民局に提出できる英語テストが5種類に増えた

ビザ申請でスコアを取りやすい英語テストは?PTEとIELTS を同時に受けてスコアを比較してみた。
ビザ申請で必要な英語力の証明にPTEが注目を集めてきています。実際PTEのテストはIELTSよりスコアを取りやすいのでしょうか?ほぼ同じ時期にPTEとIELTSのテストを両方受けてみてスコアの違いを調べてみました。 点数の違いを比較した結果、PTEもIELTSも点数に違いはほとんどありません

また、オーストラリア政府は、2018年からこの英語能力をかなり重要視しています。
これまでは経済発展を強化していたので、お仕事の経験や学歴のポイントが多く割り当てられていましたが、それも発展とともに落ち着いたので、社会の結束に大きく影響する英語力を重要視するようになりました。

実際、ビザの申請優先度もニュージーランド人、アイルランド人、カナダ人などイギリス連邦加入国出身者の人が高い傾向にあります。

学歴別の点数の計算方法

Diploma(TAFEの卒業)で10点。
学士で15点。
博士で20点です。

学歴が高いほうが有利ということですね。Diplomaは日本で言う専門学校にあたりますが、日本の専門学校はTAFEとみなされずポイントが付きません。

オーストラリア国内で大学や高校に通っていた場合はおまけ点が付与されます。永住権を目指す人はできるだけオーストラリア国内の学校に通うことや、就職してみると職業ポイントが有利になるケースがあります。

国外でのお仕事経験年数の計算方法

3年以上は5点。
5年以上は10点。
8年以上は15点です。

オーストラリア国内と国外でポイントの点数配分が変わります。職業の経験年数が5年未満の場合、年齢も25歳未満である可能性が高いので、ポイントを合格ラインまで持ち上げるのはかなり難しいでしょう。

国内でのお仕事経験年数の計算方法

1年以上は5点。
3年以上は10点。
5年以上は15点。
8年以上は20点。です。

オーストラリアでの職業年数は国外よりも重要視されることがこの点数からわかります。オーストラリアでのお仕事経験が優遇されているのはこっちでの即戦力になるかどうかと密接に関係しているからでしょう。

国内・国外ともに、ポイント換算されるお仕事経験は申請する職業(Occupation)に関係する部分だけが考慮されます。これまでのお仕事経験のうち、ポイント対象になる年数はスキルアセスメントを通すことでわかります。

次のページ > 【オーストラリア】スキルアセスメントをパスするために押さえておくこと

その他のポイント計算|おまけ点

ポイントは紹介した、年齢・学歴・職業年数・英語能力、の他にもいくつかポイントが加点される項目があります。

NATTIの資格を持っている場合や、オーストラリアで特定の資格を持っている場合、オーストラリア国内の学校を卒業した場合等など。

加算されるポイントはおおむね5点ですが、この5点があるかないかで人生を左右することもあるのでボクたちにとっては死活問題。

地方ポイント|5ポイント

人口の少ない都市やエリアで学校を卒業すると5点が加算されます。都市に住みながら通信制で地方の大学やTAFEの授業を受けられた場合は対象になりません。

パートナーの能力点|5ポイント

ビザに含まれている配偶者(パートナー)も申請するビザの年齢、職業、英語力をパスしている場合はさらに5点が加点されます。

STEM系の学部卒業|5ポイント

STEMとは「Science」「Technology」「Engineering」「Math」の頭文字をとった言葉です。オーストラリアが今力を入れている教育分野でもあります。

大学でSTEMに関係する学部を卒業している場合、5ポイントが加算されます。

オーストラリア政府が永住権にSTEMの力を入れている理由は、「問題解決力」に注目してのこと。政府は国際競争力ある労働市場を作るためにSTEM系学科を卒業している方に対してポイントの優遇を考えています。

それもあって、2019年の11月からこれまで5ポイントの付与から10点に格上げされます。

少しでも永住権のポイントを稼ぎたいなら大学はSTEM系学科を卒業しましょう。

次のページ > STEM資格って?オーストラリア政府が移住希望者に求める能力

プロフェッショナルイヤー

プロフェッショナルイヤーと呼ばれるコースを受講することで5ポイント追加。

ボクたちのような外国人がオーストラリアで就職した後に即戦力で働けるように再教育するのがプロフェッショナルイヤーです。

コストはさまざまですが$8,000以上が相場です。コース受講は1年間。卒業すると5ポイント追加の対象です。

次のページ > プロフェッショナルイヤープログラムとは?【+5ポイントしよう!】

ポイント制の永住ビザ申請の流れ

  • 技術査定(スキルアセスメント)
  • EOI(興味の表明)の提出
  • 州からスポンサーをもらう(できれば)
  • ビザ申請!

技術査定

オーストラリア政府は、不足している職業経験を持っている人に対して永住権を申請しています。

お仕事経験が、オーストラリアで不足している職業とマッチしているかどうかは、別の会社が査定します。(査定機関)

これが技術査定(スキルアセスメント)です。この技術査定をパスした人だけがEOIを提出できます。
関連記事:【ビザの仕組み】永住権や就労に必要になるスキルアセスメントに迫る!

Express Of Interest

EOIというのは、ポイント制永住権の招待に必要な提出書類のひとつ。技術査定の結果と職業を登録することで完了します。

わかりやすく言うと、ポイント制のビザを申請したい人が、登録することがEOIです。

その後、オーストラリア政府や州政府、一般の企業の人事がスキルセレクトと呼ばれる、オンラインシステムを使い、数あるEOIの中からポイントが高い人に対して順番にビザの招待(インビテーション)が行われるわけです。

オーストラリア政府は提出された僕たちのEOIの中から、「この人が欲しい」という人をピックアップして永住権の招待を送るわけです。

次のページ:【永住権の仕組み】スキルセレクトとEOIをハッキリさせる

州からのスポンサー

ポイント制のビザの中には州からビザのスポンサーありきで申請ができるものもあります。

州政府スポンサービザ(S190)や地方技術ビザ(S489)の2つがそうですね。

ポイント制の永住権で、州からのスポンサーありきのビザを申請するメリットは、ポイントが追加で10点もらえること。

それによって英語力、年齢、職業経験が多少足らなくても不足分をカバーできるのです。

ポイント制ビザは数に上限がある

Occupational Ceilingと呼ばれるスキルセレクトで永住権を招待する数に制限をもうけています。

1年間にビザを招待する人の職業に偏りがないように、職業ごとにビザの招待数を決めています。

招待するビザの数をへらすことで、ポイントの高い人だけに招待が送られる仕組みになっているので、オーストラリア政府はそうやって移民の質(能力ベース)をコントロールしているわけです。

最近、この操作が目立っており、スキルセレクトから招待(インビテーション)が送られる人の最低点数が高くなってきました。

たとえば、会計士はこれまで60点でインビテーションが送られていましたが、最近では80点~85点で推移しています。

今後もOccupational Ceilingを通して移民のビザ発行率を調節していくものと考えています。

人気の職業ほど招待に上限がある

ポイント制のビザに関わる職業はビザの種類ごとに職業リストが用意されており、そのリストに載っている職業の経験がある人がビザの招待を受けます。

ただ、ビザ招待の上限は職業ごとに設定されており、オーストラリアで不足している職業ほどたくさんの招待が送られ、シェフなど不足していない職業はリストに載っていないか、招待の数がごくわずか。

この職業は州ごとに違うものと、中・長期戦略職業リスト(MLTSSL)の2つが主な職業リスト。この職業リストは頻繁に更新され、そのたびに自分のお仕事がリストにあがったり、消えたりします。

Pro-rata Occupation

ただ、職業リストに常に載っている人気の職業もあります。このタイプの職業はリストから削除される心配がかなり少ないので人気の職業。

よく、ポイント制永住権を目指す人が、ナースやチャイルドケアを学んでいるのは、実はPro-rata Occupationだからです。

ただ、人気の職業は申請者も多いのでビザ招待の上限にすぐに到達するデメリットもあります。

職業リストに常にある職業は「スキルセレクトに強い職業リストがあった!リストが見直されても安心」で詳しく説明しています。

ポイント制が新しく|法改正

ポイント反映にビザ申請者のパートナーの能力も考えるべきだという報告が経済調査機関から政府に報告がありました。

それを受けて、ポイントの加算対象にパートナーの職務経験や英語力が反映されることに。

ビザ申請者についても、独身ポイントが追加される予定です。

次のページ > ポイント制が改正される!これまでよりポイントが稼げる内容に

移住へのアドバイス

ポイント制永住権やビザを目指す場合は事前の計画がモノを言います。あらかじめ自分に必要なポイントと目指すビザを絞って進めていくのが移住成功への近道でしょう。

ポイントが少し足らない場合でもちょっとした努力で加算ができます。

永住への道までは短くはありませんが海外移住へのモチベーション維持とそれなりの努力で達成できるのでぜひ、がんばりましょう!

次のページ > オーストラリアの永住権を自力でとるのに必要なノウハウとアドバイス!

次のページ > オーストラリアで永住権を取るのは無理だと思う人がおちいるマインド

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