日本とオーストラリアの所得格差は貧困層と関係は無い

オーストラリア 所得格差 貧困層 関係

オーストラリアの平均所得が日本より高いからと言って、日本は貧困だ!というのはチョット待って!と言いたいです。

日本とオーストラリアの所得差は1.7倍近くありますが、オーストラリアは意外と貧困を感じる国です。

今回は日本とオーストラリアの平均給与や実質所得というところからオーストラリアの貧困について考えて行きます。
  • オーストラリア国民は意外と貧乏
  • 実質所得はオーストラリアの方が低く感じる
    -
    衣食住の出費が高い
    - 医療費がめちゃ高い
  • 体感的な生活レベルは日本とあまり変わらない
  • オーストラリアの所得が日本を圧倒しているのは
  • 貧困と住みやすさはまた別で考えるべき
  • 失業率はオーストラリアが2倍高い
  • おわりに

オーストラリア国民は意外と貧乏

オーストラリアの給料は確かに高いですが、出費もかなり多いんですよね。
給料から必要最低限の費用と高い税金を引くと手元に残るのは半分程度。

しかも住宅価格は上がりまくっているので貧困層は年々増えています。

2010年からの6年間の間に、オーストラリアの貧困層は12.5%から13.3%に上がりました。

実際の所得はオーストラリアの方が低く感じる

衣食住の出費が高い

家の値段を見てみましょう、パースだと家と土地をセットで買うと500,000ドル(4,5000万円)が相場でしょうか。

ただ、ローンをした時の金利が高いので30年ローンを組むと、500,000ドルが、800,000ドルに化けます。(7,200万円なり)

オーストラリアの給料が最低でも日本の給料の2倍以上なければ割に合わないわけです。

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家だけならまだ言い訳出来る余地があるんですが、車も中古を買わない限り300万くらいします。
もちろん、軽自動車という概念はありません。

外食も日本の2倍は高いですし、そのあたりの事を考慮すると実質所得は低くなり、オーストラリアの方が実質的に貧困層が多いのではないかと思うわけです。

それだけではありません。オーストラリアは失神するくらい医療費が高く治療によっては10倍高い請求になります。

医療費がめちゃ高い

オーストラリアはメディケア(国民皆保険)があるので医療費はかからないと思うかもしれませんがそうでもありません。

確かに永住権やオーストラリア市民の人はメディケアを持っているのですがメディケアでも最大で25%の自己負担があります。

しかも、歯科とか眼科に関わる部分はメディケア対象外なので全額自己負担です。

オーストラリアで虫歯になった場合の費用は大体3,000ドル(30万円)になります。高すぎですね。

更に私立の診療所で医療を受けるとメディケア対象外なので全額負担。

その突然の出費を考えて、一部の低所得者以外は民間の医療保険に月々200ドル程度払って入っています。

日本の場合は国民健康保険だけの人が圧倒的に多いと思いますが、こっちではメディケア以外にも民間の任意保険にはいっている人が多いわけです。

会社の同僚は去年、子供が2度の虫歯と中耳炎になったことで、100万円の追加費用が掛かりました。

オーストラリアは実質所得が額面よりかなり少なく、自分が貧困層に居ると感じる人が多いのです。

体感的な生活レベルは日本とあまり変わらない

更に調べてみると、金銭面だけで考えると相対的貧困率ではほど変わっていないことがわかりました。

この相対的貧困率は、いわゆるその国で必要最低限の以下のことしかできない人たちの割合になります。

一言で言うと、この層にいる人たちは、外食をしたり海外旅行をしたりすることが非常に困難な人たちになります。

貧しい人のことですね。

その統計方法は、国民の実質所得(年収から税金や社会保障などいわゆる、かならず引かれてしまう金額を引いた後の実際の所得)の平均値の半分すらもらえていない人たちの層になります。


国の統計を引っ張ってくると、
クリックすると拡大出来ます。
外部リンク:貧困率の国際比較
日本では子供のいない家庭の人口の16.1%、オーストラリアでは14.1%が貧困層になります。

また子供がいる家庭では、日本では 15.7%、オーストラリアでは15.1%になります。

ほとんど差がありません。

まさにオーストラリアも日本も国民の6人に一人が貧困層という状況です。

給料が高くても医療費や衣食住など節約することが難しい部分に掛かる費用が家計を圧迫して言えるのです。

 日本とオーストラリアの給料の差

時給

まず、時給ですが、オーストラリアは日本の2倍〜3倍程度高いです。

日本の時給は地域にも寄りますが、だいたい800円くらいからでしょうか。

対してオーストラリアは時給が一番低いと言われる日本食レストラン(通称ジャパレス)だと大体18ドルから始まるので1ドル90円計算だと1620円。

オーストラリアの方が2倍高いです。また、職業によっては時給が40ドルというのもザラにあります。例えばIT系の時給は新卒でも30ドルから始まるのでオーストラリアの時給は日本の2倍〜3倍あると言っていいでしょう。

年収

国税庁「平成26年分 民間給与実態統計調査」からデータを引っ張ってくると日本の平均年収は414万円でした。

オーストラリアの平均年収は77,963ドルなので701万円で日本のおよそ1.69倍にもなりますね。

こちらは、2018年の州別の年収をリストにしたものです。

年収
Tasmania
$71,718
Tasmania
$75,369
Queensland
$80,304
Victoria
$80,610
New South Wales
$83,517
Northern Territory
$86,762
Western Australia
$90,496
Capital Territory
$94,224
年収だけ見るとオーストラリアは日本より豊かで貧困層が少ないように感じますが、所得が高い理由はどの職種が平均を底上げしているのかを分析することで見えてきます。

オーストラリアの所得が日本を圧倒しているのは

資源採掘。いわゆるマイニングと呼ばれている職業が平均所得を上げています。

そのマイニングに携わる人の平均年収はAUD $137,660ドルなので日本円にして約1238万円になります。(2018年)

この資源の輸出がオーストラリアの平均給料をお仕上げていて、カフェやレストラン、小売業の給料は534万円程度です。

外部リンク >> 国税庁「民間給与実態統計調査」Australian Bereau of Statistics

カフェやレストランでも十分高いからやっぱりオーストラリアと比べて日本は貧困層が多いのかと言うとそんな事はありません。

貧困と住みやすさはまた別で考えるべき

日本は、オーストラリアと比べて所得が低いように見えますが、国民皆保険制度や年金制度がオーストラリアよりしっかりとしています。

対して、オーストラリアは毎日定時で変えられる事や休暇が取りやすい空気があります。

たとえ、所得が一見して高そうに見えて、休暇が取りやすいとしても実質的な所得が低い、貯金ができない状態であればそれは貧困層の生活レベルしか出来ません。

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失業率はオーストラリアが2倍高い

オーストラリアの失業率は5%。2.3%の日本と比べて2倍の開きがあります。(2018年)

失業しているということは、貧困層に落ちているということですから、その貧困層の割合は失業率だけを見ればオーストラリアは日本の2倍になるわけです。

更にオーストラリアは日本より、解雇をしやすい風潮があります。社長の気分次第で明日から仕事が無くなるということは決して珍しいことではありません。

そう考えると、短いスパンで失業してる期間が日本と比べて多いわけですから貧困はオーストラリアの方が高いのではと思うのです。

相対的貧困率というモノサシでオーストラリアと日本の貧困率を考えてみると体感レベルではどっちもどっちということが分かってきます。

おわりに

ここから一体何が読み取れるのか。

一見すると裕福で住みやすそうに見える国、オーストラリア。

ただ統計で見ると、ワーホリや観光、メディアからの情報だけでは見えてこない部分が見えてきます。

それもそのはず、1年、2年住んだ所でオーストラリアの全てが理解るはずがありません。特にワーキングホリデーや観光はオーストラリアを楽しむ前提で来るのですから良いところしか見えません。

しかし、その国にしっかりと腰を据えて住み、統計データを見ていくと、数字的にも体感的にもオーストラリアは日本より豊かとは言えず、また貧困とも言えませんね。