オーストラリアのビザ発行が10%も減少|移民政策の動向

移住は地方へ

オーストラリアの移民がますます難しくなってきています。特に労働と永住権からみの申請のチェックが厳しくなりビザのリジェクション(拒否)も上昇傾向です。

今回の記事は2018年現在のオーストラリア移民政策について考えていきたいと思います。

  • 数年前と比べてビザの割当数が10%減少
    - ビザ申請基準がさらに難しくなり移住の魅力が減少
    - ビザ申請資料のチェックが厳しくなりリジェクション(拒否)率が上がった
  • オーストラリアの経済的にはネガティブな影響
  • 成長を緩やかにしてでも移民政策を厳しくする理由
    -これからの移住は地方都市が焦点に
  • 大都市の移民政策は厳しく、地方都市の移民政策は据え置き
外部リンク>>Number of visas issued to live and work in Australia down by 10%

数年前と比べてビザの割当数が10%減少

オーストラリア政府は7月に2018年は数年前の同時期と比べてビザの割当が10%も減少したことを発表しました。

実際、どれくらい減ったのかと言うと、オーストラリアで永住権や労働関係のビザを申請する人が数年前と比べて20,000人も減ったそうで、2007年以降で最低の申請者になったそうです。

具体的な数を挙げてみると、2016年は190,000人のビザ申請がありましたが2017年の申請者は183,000人。
さらに今年(2018年度)は更に10%減った162,000人になります。

たったの2年間で2割以上も労働や永住ビザの申請の数が減っているのは明らかに意図的だと思っています。
以前、どこかのニュースで見たのですが、オーストラリアへの入国者数もこれまでずっと上昇傾向だったのに、2018年前半は前の年と比べて減っていた事から、移住の国として、オーストラリアの魅力は減っているのかもしれません。

オーストラリア政府はこのビザの申請数の減少について2つの理由を挙げていました。

ビザ申請基準がさらに難しくなり移住の魅力が減少

申請出来る条件を満たすためのラインが毎年高くなっているので確かにそうだと思います。

毎年のように労働や永住権のビザ申請基準が高くなり、今後は大学院レベルの学歴とネイティブ並みの英語、そしてそれを可能にする資金が必要になってくるのは必然。
それをクリアしてやっと永住権申請が出来る!という頃にはビザの申請基準はおそらく更に厳しくなっているのですから、オーストラリアで永住権を目指さなくなった人も相当数いると思います。

関連記事>>ニュージランドを永住権のスベリ止めに!

ビザ申請資料のチェックが厳しくなりリジェクション(拒否)率が上がった

ビザの申請の際にウソの申請をする人がいるんですね。例えば、職務経歴書を華やかにしたり、持ってもいない資格を書いたり。

日本人の方でもワーキングホリデーで仕事を探すときに同じ様な事をした人がいると聞いたことがあります。生活が掛かっているので気持ちはとっても分かりますが(笑)

これまでオーストラリア政府はビザの申請書類をチェックするときにある程度、性善説(人は善人であるという前提)で対応していたのだと思いますが、現在の政府は性悪説で調べるとしています。

ビザのお役所(移民局)のホームペーでビザの待ち時間がおおよそで載っているのですが2018年から大幅に長くなりました。
例えば、186ビザは2017年は6ヶ月程度で申請が終わっていたにもかかわらず2018年の12月現在は16ヶ月です。

約3倍の待ち時間になっています。

僕の考えではおそらくこれは、ビザの関係書類を複数人で2重チェックしたり、政府間で書類確認も行っているからだと思います。

外部リンク(英語)>>10 insider secrets for successful Australian visa applications

優秀な人材を「選ぶ」事で申請に時間がかかりますが、中・長期的なオーストラリアの成長を考えると必要なのかもしれませんね。
ただ、オーストラリア国内の業界からは悪影響も懸念されています。

オーストラリアの経済的にはネガティブな影響

オーストラリアの経済界はこの点について「危機」という言葉を使っていて、地方やその田舎町は労働者が見つけられない可能性が高く経済に悪影響を及ぼすと言っています。

僕はオーストラリアの経済がここまで成長したのは移民政策が大きなウエイトを締めていると思っています。

外国の優秀な人に長期滞在や永住権のビザを積極的に与え、その家族が国内の消費を底上げした結果が今のオーストラリアの姿だと考えていて、その元となっている移民政策のビザ申請基準を高くするということは、経済の支えとなる根底部分が脆弱になる事を意味します。
特に、人口が少なく経済的に脆い地方の地域はその被害をもっとも受けやすく、オーストラリア国内の経済界がそういうのも納得しています。

対する、オーストラリアの移民議会はネガティブとまでいかずとも、成長が緩やかになる程度と考えていました。

成長を緩やかにしてでも移民政策を厳しくする理由

今、オーストラリアは住宅価格の高騰で大都市で家を買うと普通に1億(1,000,000ドル)します。ここパースでも中心地から20キロ圏内の家はどこも500,000ドル必要です。

更に、金利が高いので最終的な支払総額は1.5倍増し以上になります。(汗)

この住宅の支払額が高くなると、ローン返済が出来ない人が増えてくるので経済のリスクが増すわけです。
これまでのオーストラリアの移民政策が成功した反面、家の値段が上がりローン返済が出来ない人が増えているのです。

オーストラリア政府の労働党はナショナリズムでも何でも無く、国内のリスク管理をしたいのですね。

これからの移民は地方都市が焦点に

オーストラリア政府は移民の年間受け入れ目標を定めていません、上限人数は190,000と発言しています。
さらに、この人数の大多数を地方に移住して欲しいと考えていて、それによって住宅価格の上昇を抑えることが出来ると期待しています。

大都市の移民政策は厳しく、地方都市の移民政策は据え置き

オーストラリア政府はこれからの移民を地方に流したいと考えていて、移民政策は経済的な面と地域の人口管理の2つの側面を併せ持つことになりそうです。
そうやって物価やリスクをコントロールしていくのかもしれませんね。

そう考えると、今後のオーストラリアの移民政策は、大都市圏に対しては選りすぐりの労働者だけが申請できるビザ条件になってくると思います。

そして、地方都市に関しては引き続き今のビザ条件を維持していくのではないのかと考えています。


あとがき

オーストラリアで今日まで僕が歩んだ道をまとめました。
長かったですが時系列別にまとめたのが下のゼロから始めた移住ストーリーです。

良ければ見ていってください。

おーすとらりあ移民局(@o_sutoraria)

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