【オーストラリア】パースの総選挙と移民法改正はどうなる?!2017年版

こんにちは、うめ太郎(@o_sutoraria)です!

オーストラリアのボクが住んでいるパースで総選挙があります。選挙に無関心な人もこと、ビザや永住権に影響するこのイベントはだけは注目している。

特に今回の総選挙は、結果次第でパースがRSMSの申請対象地域から外れる可能性があるので、めちゃくちゃ注目しています。

この政策は労働党が出しているマニフェストのひとつ。お願いですから労働党が敗北して欲しい!そんな気持ちとは裏腹にリベラル党は劣勢です。

今回は、2017年3月11日に行われるパースの総選挙の状況と移住への影響について書いていきます。

UPDATE (2020):RSMSは2019年に廃止されました。ただパースからは類似の永住権があります。

パースの選挙と法改正への影響

まず、RSMS(田舎用の永住権)がパースでも申請できるようになったのは2008年から。

それまでは西オーストラリアのマイニングブーム(資源開発イケイケ!)の時で、オーストラリアの最大の資源採掘のエリアになっていたのが西オーストラリア州。
鉱山採掘に従事する労働者が圧倒的に不足しており、RSMSをエサにパースの労働力不足を解決しようとしたのが始まり。

この時も、総選挙で勝った与党(選挙で勝ったほう)がパースでRSMSの申請を推し進めていましたが、それも2013年をピークに減少に向かいました。

ここでRSMSについて触れていくと、

田舎の永住権=RSMS

です。

正式名称は、Regional Sponsored Migration Scheme (Subclass 187)と呼ばれており、人口の少ない都市での労働力不足を解決するために設けられている永住権。

申請には会社がビザのスポンサーが必要で、出来た当初は英語力証明が必要のないとっても取りやすい永住権だった。(後にIELTSの6が必要に法改正があった)

田舎以外の中規模以上の都市ではほぼ同じ永住権として、ENS:Employer Nomination Scheme(Subclass 186)があります。これは申請にIELTS6の英語力証明が必要。

いわゆる、RSMSは取りやすいからオーストラリアに移住を希望する人がパースに集まってきたわけ。

RSMSビザとENSビザの違いは何か?地域によってビザ申請をわけるのがコツ
オーストラリアの2つの永住権、RSMSとENS。何が違うの?やっと紹介する事ができます。RSMSとENSの違い。オーストラリアで2つの永住権について違いを説明したいと思います。話は変わりますが、家に蟻が多い。そして常に蟻が机の上に上り、少し目を離したすきに、お菓子の袋の中に大群の蟻が・・・

さて、話を戻すと今回の総選挙では、RSMSがパースから申請できなくなる。

その理由は景気が悪いから!

失業率が半端なく悪い

西オーストラリア州で2008年と2016年の失業率を比較してみると、

  • 2.8%の28,700人

↓ ↓ ↓

  • 6.5%の92,500人

に増えたんですね。

そして、2015年、2016年の2年間だけを見ると、失業者が63,800人に急増!!

つまり、失業率が上がったのはこの2年間の話なわけですね。

しかも、西オーストラリアは他の州の都市と比べてダントツに悪い失業率。オーストラリアの平均は5.6%、対して西オーストラリア州は6.5%。

西オーストラリアでは移民が仕事を奪っているんじゃない?という雰囲気があり、そのあたりの民意を取り入れた労働党が、今回の移民法改正を選挙公約として掲げているわけです。

RSMSビザを受け入れてから経済が悪化しているので法律を見直すべき。
RSMSビザを廃止すると、失業率が元通りに戻る。

というのが労働党の主張。

要するに、外国人が国内の仕事を奪っているので、永住権を取りにくくすれば外国人を減らせるという考えなんでしょう。

選挙結果を予想する

気になるのは労働党が選挙で勝つ確率。選挙は4年に1回あり、1989年から2017年までの記録をWikiから引っ張ってきました。

上の票は1989年から2013年までの選挙結果。%は得票率。背景が黄色の意味はその年に選挙で勝った事を示しています。

上の画像を見ていくと、あれれ?何度かリベラル(Liberal)と国民党(Natinal)で同じパーセントになっています。
これリベラル・国民が連合して、ひとつの党として戦っているから。

そう考えると、「労働党は過去一回しか勝っていないじゃん」と思うけれども、よく見てみると、オーストラリアの景気が良くない1989年から2005年まではリベラル・国民の連合党が団結してやっと勝っているんです。

景気が良くなると、連合党は解散し個々の党として選挙で議席を争っている。では今回も連合になるのだけれども・・・。

2017年の3月11日現在、TPPとBPが選挙の聞き取り調査を行っており、その結果が下の通り。

選挙の聞き取り調査結果!

TPPでの聞き取り調査では互角。BPの聞き取り調査では大差で労働党が勝ちます。

この調子だと、本当に労働党が勝ってパースがRSMSの申請対象から外れそうですね・・。

やべーよ!!!

労働党が勝った場合の影響

労働党は自分たちが勝利すると「Australian First(まずは西オーストラリアに仕事を!)」をキャッチフレーズに永住権に関わる下の事が現実にする予定。

  • 職業のリストを減らす。
  • パースでRSMSが申請できない

働けるビザ、永住権の可能性が減るので、これを気に南オーストラリア州に移動する人が増えますね。

職業リストが減る

移住、永住するにはビザが必要。技術系ビザと呼ばれるお仕事経験をベースに発行されるビザはオーストラリア政府、州政府が公開している職業リストに載っていなければならない。

州の職業リストは「WASMOL」とも呼ばれています。

この職業リストには現在、資源に関係する職業を含め2017年現在で、168件が載っています。

このリストが大幅に減る予定。

おそらく、失業者たちのお仕事をリストから削除すると思われます。失業者たちが再就職しやすいように、移民に彼らの仕事を取られないように配慮するのでしょう。

つまるところ、本当に人が足りていない職業だけリストに残すということ。

RSMSからパースの削除

メルボルン、シドニーそしてブリスベンなど大都市ではRSMSを申請できませんが、パースもそれに加わります。

田舎は州都だけで見ると、

  • パース
  • ダーウィン
  • アデレード
  • ホバート

だけが対象でしたが、パースはここから消える。

パースは2008年にRSMSの対象地域に含められましたマイニング(資源)ブームによって人が足らなかったからです。

【リアルに感じる】パースの景気後退が悪化の一方【早めの移住が得】
パースで肌身に感じる景気後退。ボクが来た2015年のときより明らかに落ちていますね。パースで生活してから早くも4年が経ち、その間に年々「景気」が悪くなっていると感じます。ニュースや職場での話題もお金巡りが悪いことや転職が難しいという話がちらほら出てきており、将来が不安にもなる。2019年と2014年の景気を比較してみましたが、景気はあれから悪くなる一方ですね・・

ただ、今は過剰な状況で失業率も日本の2倍以上と悪い。

仮にパースからRSMSを申請できなくなると、ENSと同じ手順を踏むことになります。

具体的には会社の負担が増える、ビザの申請者の負担も増えます。

言ってしまえば、ハードルが高くなるわけです。

いかがでしたでしょうか。今回はパースの選挙とそれにともなう法改正の影響について書いていきました。

もしかすると、この先10年もしないうちに、永住権は、お金持ちか結婚でしか取れないのかもしれません。

永住したいと思う全ての人に幸運を。

ありがとうございました。

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