入国管理にデジタルアプリが導入されると少数派にとって生きにくい?

オーストラリアに入国時に記入するカードが廃止されアプリによる認証に置き換わります。

こんにちは、うめ太郎です!

これまでは入国時に入国管理カードを提出していましたが、それがアプリによる認証になることでより安全にスピーディに入出国が出来るようになるみたいです。

ただ、安全というのはトレードオフの世界だと私は信じていて、少数派の選択肢を削り生きにくい世の中になると思ったりしています。

ソース:homeaffairsから

デジタル・パッセンジャー・デクラレーション

オーストラリア政府が開発しているデジタル・パッセンジャー・デクラレーション(DPD)アプリは2021年に導入されるようで、このアプリは将来的に入国管理だけにとどまらず、包括的な移動許可ツールになるようですね。

DPDでは、入国管理時に提出している入国管理カードは廃止され、アプリ認証による入国管理に変わります。

speeding up information collection and processing
引用:Alan Tudge


確かに、デジタル化によって作業量とその質は飛躍的に上がると思います。そして、デジタル・パッセンジャー・デクラレーションによって入国前に「行ってはいけない場所」に滞在していたか、将来的には特定のワクチンを受けたかどうかの確認も素早くできるため安全度は格段に増すと思う。

ただ、安全・安心と生活の不便というのはある程度、逆相関関係になっていると思います。特に私はプログラマーなので、セキュリティを上げると利便性が落ちる事をよく理解しています。

最近では認証に8文字以上の英数字が含まれたパスワードを使ったりするのがその例ですよね。顔認証技術もありますが、寝起きと夜で顔がま全く違うボクのような人はスムーズにログインできない。

そういう不便さもある。

巨大なデータベースによる管理社会?

政府は今、認証のための巨大なデータベースを作っています。そこには、私達の氏名、年齢、過去に滞在した国、COVID-19のような世界的なワクチンを受けたかどうかを格納し、将来的には入国管理だけにとどまらず、インターステート(州またぎ)の認証やおそらく、公共交通機関の乗り降りにすらそういった「安全ツール」に使われる。

そんな安全ツールが必須になっていく世の中になるとも言えます。

まぁ、巨大なデータベースと言えば、いかにも監視社会を思わせるような書き方ですが、すでに私達はMy Govなどを通して様ざなま情報を管理されています。そのおかげで手当がすぐに振り込まれたり等の利便性も良くなっているのですが。

将来的には、人の行動履歴、いつ、どこで、何をしたのかについて、もっと言うと、どのような食事を取ったのかも政府は健康・衛生管理という視点で収集するのかもしれません。

旧来の入国管理カードの廃止

先に、オーストラリア政府は巨大なデータベースを作っていると書きましたが、あれは長期的な視点で、まず第一段階としては入国管理カードをデジタル化することに集中しています。

それが、デジタル・パッセンジャー・デクラレーション(DPD)で、アプリを使い、入国管理カードでペンを使い記入していた内容をアプリ上で入力します。またその際にワクチンを受けたかどうかの証明書をアップロードするそうです。

それによるメリットも大きく、バイオセキュリティ的に安全な人を入国させ、そうでない人の出国を禁止するといった事も可能になるとか。

ソース:homeaffairs
slowly reopen and safely reopen the Australian borders

また、そうした精度が高く、効率的な入国管理により国境封鎖の緩和がスピーディに行えるようになるとのこと。これは良いですね。

オーストラリアの凄いところは、「問題解決力」と思うときがある。なにか解決しなければならない時の方法が局所的、一時的な対応ではなくて将来を見越した永続的な解決ツールを生み出せる。そうしたところは凄いなぁと思ったりします。

そのあたりは、世界でトップクラスの人間開発指数を持つオーストラリアならではの力だと思います。

このデジタル・パッセンジャー・デクラレーションのアプリが出来たから国境を再開するというわけではなく、国境開放をサポートするツールとした位置付けですが、長期的には今回のパンデミックだけにとどまらず、オーストラリア国内の安全を確保する優れたツールになると思います。

ただ、その反面、少数派には生きにくい世の中になるのではとも思います。

生きにくい社会に

これはあくまで分かりやすくする為の仮定ですが、

ジャンクフードを毎日何グラム以上食べている人の免疫力はそうでない人の30%落ちるため、ウィルスに感染しやすい

みたいな論文も出てきて、社会全体の安全を高める目的から、そうした人の入店はお断り。みたいな事がパンデミック時に起きるかもしれません。

実際は経済影響とのバランスもあると思うのでそうそう、簡単に上記のような事が起こるとは思えませんが、言いたいことは

社会全体の為に

我慢を強いられる人が出てくるということ。

つまり不便な世の中、生きにくい世の中になると思います。

特に、人によっては、ワクチンを受けることに懐疑的な人、ある程度リスクを取ってでもやりたいことを実現しようとする人もいる。

そうした、少数派はデジタルアプリによる”安全管理”によって、コミュニティにとって良いと思われる人にとっては便利で過ごしやすく、そうでないマイノリティーな人からすると、生きにくい世の中になるのではと思いますね。

世界の流れ的に、デジタル化をしないほうが不利な状況にはなりつつあるので、その流れは止められないと思います。デジタル化のおかげで便利な世の中になっているのも否定できません。

しかし、その反面、少数派やちょっと変わった個性を持つ人達の自由度は、こうしたツールを通して自主規制を行わなければならない生きにくい世の中になるのかもしれませんね。

オーストラリアに移住したいと思う全ての人に幸運を。

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